腰椎椎間板ヘルニアで、やってはいけないことは?

腰椎椎間板ヘルニアと診断された場合、やってはいけないことは、椎間板に負荷がかかるような動きです。

姿勢による椎間板内圧の変化を調べた過去の研究によると、腹臥位、立位直立、立位前屈では、前屈位で圧が最大となることが分かっています。

つまり、前かがみや中腰の姿勢では、椎間板により負荷がかかるということです。

重い物を持ち上げる時は中腰になるのではなく、膝を使って持ち上げるようにするよう気をつけた方が良いでしょう。また、長時間座ったままの姿勢をとることも避けましょう。

さらに、ヘルニアが疑わしい場合には、たとえ症状が強くなくても、腰に負担のかかるような、腹筋運動や背筋運動、ゴルフや野球などのスポーツも避けた方が良いでしょう。椎間板に負荷をかけ、ヘルニアを誘発する可能性があります。

では、椎間板ヘルニアと診断されたら、どのような運動が良いのでしょうか?

腰椎椎間板ヘルニアと診断された場合、痛みが強い時期には、リハビリや運動療法は、意味がないと思われます。

マッケンジー体操という、うつ伏せになった状態で腰部を背屈させる運動があります。

この体操が、椎間板の後方の線維輪や後縦靭帯を緊張を緩和する、椎間板の内圧を減少させる、等の作用があるので、急性期の椎間板ヘルニアに有効という報告もあります(鈴木ら 日本腰痛会誌2005年)。

やはりリハビリの先生から指導もらう必要があるでしょう。やはり一般的には、ヘルニアが強く神経を圧迫している時期、急性期の患者さんには勧められません。

痛みが軽くなった時期には、まずは腰に負担のかからない姿勢、動作を心がけるのが良いでしょう。その上で、運動療法、マッケンジー体操などを少しずつ取り入れていくのが良いと思われます。

しかし、その段階でも、クリニックなどを受診して、専門の医師または理学療法士の指導を仰ぐことをお勧めします。

それでも症状が悪くなった場合には?

腰椎椎間板ヘルニアと診断された方の多くは、腰痛や足の痛みなどの症状で、内服治療を受けておられるでしょう。神経障害性疼痛(神経が原因での痛み)に対する薬、または神経への血流を改善する薬、等です。

8割以上の方が自然に改善していくとは言っても、症状が悪化していく方も、全体の数パーセントいらっしゃいます。

痛みや痺れにより生活に支障が出てきた場合、または足の力が入りにくくなった場合、排尿や排便に支障が出てきた場合などは、外科手術を検討してもいい状況でしょう

特に、痛みがかなり強い場合は、薬で良くなる可能性があるとは言っても、この状態で何週間も我慢するのは辛い、という患者さんもおられます。痛みというものは、最終的には患者さん御本人にしか分からないものです。

他にも、尿意や便意があっても失禁してしまう、 陰部がしびれる、等の症状が見られた場合、これは神経への圧迫が相当強いというサインなので、急いで専門医に御相談下さい

腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡手術

手術は、物理的にヘルニアを取り出し、神経への圧迫を取り除くという治療です。

腰椎椎間板ヘルニアに対する手術にも、様々な方法があります。

私は、内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術を行っています。

全身麻酔の手術で、1か所の手術は1時間程度で終わります。

内視鏡手術 図解説明

キズは8mm程度のものが2ヵ所で、背中の筋肉を殆ど切りません。キズの痛みも軽くなりました。


(詳しくは、腰椎椎間板ヘルニアの日帰り手術  内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術をご覧ください)

入院期間も手術後2-3日の方が多く、さらに短期間でも十分でしょう。

病状によっては日帰りも可能です。

(今まで手術を受けられた患者様は、豊中市、池田市、川西市のほか、大阪市、堺市からも来られていました。

遠方のかたは1泊入院の御希望が多いです)

手術直後の重労働は勧められませんが、早期に社会復帰、職場復帰できる利点もあります。

最後に

腰椎椎間板ヘルニアでは、8割強の患者さんの症状は短期間で良くなります。しかし、ごくまれにですが、薬を内服しても良くならない場合や、症状が急激に悪くなり、急いで手術を考えないといけない場合もあります。

自分の現在の症状については、信頼のできる主治医の先生に詳しく説明し、何か変化があればそのたびにお話ししておくのが良いでしょう。