腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアとの違い

普段の外来で、脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアとの違いを聞かれることがあります。

脊柱管狭窄症の方に、「ヘルニアですか?」と聞かれることも多いです。

ヘルニアの方が病名としてよく知られているからでしょうか。

ここでは、腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの違いについて説明します。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、骨の間にある軟骨(椎間板)が飛び出てきた状態(ヘルニア)のことを指します。

ヘルニアが神経を圧迫するのですが、多くの場合で左右どちらかに飛び出てくるため、症状としても、初期は腰痛が出ますが、その後には左右どちらか片足の痛みで、突然激しい痛みが出ることが多いです。

年齢的にも若い方によく見られます。

保存的治療、つまり手術以外の治療方法で8割程度の患者さんは良くなりますが、残りの2割はきつい症状が残るとされています。

椎間板に負荷がかかるような動き、つまり前かがみや中腰の姿勢は避けた方が良いです。

詳しくは、腰椎椎間板ヘルニアで、やってはいけないことは? も御参照ください。

腰部脊柱管狭窄症

これに対して、腰部脊柱管狭窄症では、加齢や長年の負荷によって、脊椎全体が変形していますので、神経から見て前側にある椎体(骨の柱)に棘のようなものが出来たり(骨棘といいます)、後ろ側の関節なども変形を来すようになります。軟骨だけではなく、骨棘や、神経の後ろ側にある黄色靱帯という膜も、神経を圧迫している状態です。

症状は長年の経過で徐々に出てきます。

長い間立ったり歩いたりすると足が痛んだり、痺れるようになります。(間欠性跛行といいます)

座って休むと治まります。自転車を運転したり、買い物カートを押しても症状が出ません。

年齢的には、ほとんどが60歳以上の方に見られます。

症状は、軽症でおさまる場合もありますが、時間をかけてゆっくりと進行する場合が多いです。

日常生活での動作や作業においては、腰を強く反らす方向の運動は避けた方が良いでしょう。

腰部脊柱管狭窄症でやってはいけないことは?しても良い運動は? もご参照下さい。

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